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靴下のニットウィン 輸出伸び最高業績を更新 ファクトリーショップも計画 - 繊研新聞

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「はくひとおもい」をコンセプトにした「ニシグチ・クツシタ」

 靴下メーカーのニット・ウィン(奈良県葛城市)が堅調な業績を続けている。今期(23年5月期)の売上高は6億円弱となる見込みで過去最高を更新、主力ブランド「NISHIGUCHI KUTSUSHITA」(ニシグチ・クツシタ)の輸出も伸び、全社に占める輸出比率も20%近くになった。5月31日付で専務から社長に就任した西口功人氏が改革を加速しており、4月には10~15%のベースアップを実施したほか、今期中をめどに本社隣接地にショップも開設する。

【関連記事】靴下のニット・ウィン 上質ニーズは世界に コロナ下もウェブ商談で開拓

 主力ブランドのニシグチ・クツシタは、日々の生活に寄り添う「はくひとおもい」をコンセプトにしたソックス。上質な天然繊維素材使いを中心に、新旧の編み機を組み合わせながら、長く愛用してもらうことを目指した商品。国内の専門店やセレクト・ライフスタイル提案型ショップなどで支持を集め、19年から輸出も本格化した。

 コロナ禍で訪問の難しかった時期は、海外顧客とのウェブ商談を地道に続け、昨年からは欧米中心に展示会出展を再開した。直近ではフィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモに出展、6月末からベルリン、コペンハーゲンなどを回る予定だ。海外市場では40ドルを超える価格帯となるが、米・豪・英など30カ国以上へと輸出が拡大。商品の良さやブランドストーリーに加え、品番ごとのサイズ展開の多さへの評価も高い。

商品に加えサイズ展開の多さも評価。フィレンツェでの展示会

 2ケタのベースアップは、人材の確保面だけでなく、今後の〝働き方改革〟を意識して断行した。社員に期限を決めてチャンレンジ課題を設定し、営業なら新規顧客開拓、生産なら主担当以外での技術の横展開や共有化などを課題とする。その一環として、年度内に無縫製編み機「ホールガーメント」2台を初めて導入し、ニット小物などの新商材の開発を目指す。個々の生産性を高めることで、5年以内に現状よりも10~15日の年間休日増を実現したい考えだ。

 ECは堅調に推移し、21年に開設した大阪・南船場の直営店も順調。直販が伸び、収益力も上がってきたが、「卸、OEM(相手先ブランドによる生産)とのバランスを重視していく」のが基本方針。計画中のファクトリーショップ(約15平方メートル)も、短期的な数字ではなく、「ハクネ」や「メメリ」を含むブランドの情報発信拠点、海外バイヤーの訪日時のタッチポイントとしての位置付けを重視する。

 西口社長は「数字はもちろん大事だが、それ以上に意味のある物作り、職場環境や待遇改善、企業風土の改革を進め、20年後には新しい経営者にバトンタッチできるようにしていきたい」と抱負を語る。

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June 27, 2023 at 12:00PM
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