毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
5月2日(日)は、さだまさし、松本人志、泉谷しげるが登場した前編を放送した。
さだまさしは、松本人志の「心の師匠」
ミュージシャンとお笑い芸人の組み合わせに、さだが「この3人の関係性がまず、みなさんには理解できないんじゃない?」と切り出し、お互いの出会いを振り返った。
さだ:僕と泉谷さんは、ギター持って、しゃべるタイプの2人だから。
松本:まぁまぁ、“おしゃべりミュージシャン”の、グループですもんね。
さだ:そうそう。音楽があまり重要でない…。
泉谷:わははは!
松本:そんなことはないですけど(笑)。
さだ:やっぱり(この3人で)異質は、松本さんですよね。
松本:僕はやっぱり、さださんに呼ばれたら断れないんですよ。
泉谷:あ、そうですか。
松本:僕の「心の師匠」なんで。
泉谷:マジですか。
さだ:何で師匠なの(笑)?
松本:小学生くらいのときに、心打たれたんですね、さださんに。
さだ:なんで?
松本:あの、コミックソングじゃないんですけど、完成度の高い面白い歌を歌うという…。
さだ:あはははは。
松本は、子どもながらに「不思議なジャンルの方が出てきた」と思っていたという。その後、ダウンタウンが司会をしていた音楽番組に、さだが出演。その際に、さだが「よかったら」と連絡先を渡したのだそう。
さだ:普通ね、連絡先渡しても、この業界では(連絡が)返ってこないですよね。
泉谷:来ないよね。
松本:わはははは。
さだ:でも、松本さんからすぐに連絡が来たんで「あ、これはうれしいな」と思ってね。
そこから付き合いが始まり「都内某所でサシ飲みをした」仲だと説明。2人きりでの飲み会に、泉谷は「男だね、いいね」と唸り、お酒の席は「男同士が一番」と盛り上がる。
松本も「女の人が入るとややこしいですよ。また『枕営業』とか言われますし」とぼやき、2人を笑わせた。
泉谷しげる「(さだの曲は)人と一緒に楽しめないような歌が多い」
さだと泉谷の出会いは、吉田拓郎や井上陽水、小田和正、故・忌野清志郎さんなどそうそうたるメンバーでの長崎のチャリティコンサート。
さだに出会う前は「何こいつ?暗いんだよね、曲が」と思っていたと泉谷節がさく裂。お互いに似たものを持っていると感じたそうで「嫌だった」と語った。
泉谷:途中で、さだが好きになったのは、さっきも言ったように人と一緒に楽しめないような歌が多いなというのと…。
さだ:ふふふふ。
松本:(笑)。それはもう、正式な悪口ですよ!
泉谷:いや、そうなんだけど(笑)。
さだ:それで、何で好きになるんですか!?そんなことで。
泉谷:それは、媚びてないってことじゃない。
さだ:いや、媚びてますよ、それなりに。
泉谷:そうなの?
松本:媚びて…うーん。
さだ:媚びてますけど、いわゆる一般的に「こっち向いて!」っていうサインは出さないですね。
泉谷は「それがすごい。天才だなって思った」と、さだを称賛するも、直後に「だけど、センス悪かったよね」「びっくりするくらい、普段の服もダメ」と、当時のさだの洋服選びのセンスのなさを指摘。
さだは「俺は、便宜上、何か着ていればいいっていうタイプだから(笑)」と釈明し、松本も思わず苦笑い。
それでも、「今はもう似合ってるからいい」(泉谷)、「さださんカラーってありますよね」(松本)と意見が一致した。
松本が達したお笑いの境地!?
泉谷と松本の出会いも音楽番組だったが、初めて会ったときには「お笑いのやつをとっちめてやろう」と思っていたという。泉谷は、その思いは「嫉妬」から出たものだったろうと振り返る。
泉谷:「嫉妬」大事よ。大事。相手をある種、認めていくことなんだから。
さだ:ああ~。俺は「感心」しちゃう方なんですよ。最初から「おお、すっげーな」って。
松本:そうか、さださんはあんまり人に嫉妬しないタイプの…。
さだ:ミュージシャンだって、「こいつ良いな」と思ったら、若いやつでも素直に良いなと思うし。松本さん、嫉妬することないんですか?例えば、芸人同士とか。
松本:昔はあったでしょうね。今は相当、なくなりましたね。
さだ:嫉妬した芸人って、どういう人?
松本:やっぱり、(島田)紳助・(松本)竜介さんじゃないですかね。
さだ:あ、紳助・竜介さんの時代ですか。
松本:ですね。宮本武蔵の「五輪書」ってあるじゃないですか。
さだ:はい。
松本:「日本一のお笑いになりたい」という憧れがあったときに、その「水」、「地」、でしたっけ。あと「風」とかね。そういうものからなってる五輪書。勝手に自分の中で「漫才」「コント」「大喜利」「トーク」って自分の中で決めていたんですね。「これで一番になるんだ」って。何となく自分の中にあって、お笑い「五輪書」みたいに思っていたんですけど。
さだ:なるほど。
松本:「五輪書」最後の巻の「空」は、「調和」なんですね。
さだ:「調和」。アンサンブルなんだ。
松本:結局、最終的には「調和」なんだっていう。
さだ:みんなでね。
松本:僕が勝手に思ってるだけなんですけど、面白いなって。結局、笑いで一生懸命やっていても、最終的には、みんなが面白ければいいじゃないという。
さだ:松本さんて、芸人さんが集まって何かやるときに、ムッとしたり怒ったりしてないですよね。
松本:してないんです。そうなんです。その場が楽しければ、本当に良いんです。
「松本人志を越える芸人」はおそらく出てきているが…?
そんな松本に、さだは「松本人志を越える芸人は出てくると思います?」と質問。
泉谷:出てこないとつまらないよね、また。
松本:いや、きっとね。僕は思うんですけど、出てるんですよ、もう。
さだ:え?
松本:もう何人か出てるんですよ。それを、出てないふうに、してるんです(笑)。
泉谷:(手を叩いて大喜び)
さだ:どういうこと?
松本:うまいこと、出てないように、してるんです(笑)。
さだ:刈り取ってるわけ?
松本:別に僕が圧力で抑えてるんじゃないですよ。何となく、そういうのもうまく取り込みながら…。
さだ:「こいつちょっとやるな」と思うやつは、仲間にしちゃう?
松本:そうです、そうです。(肩を組んで)「まぁまぁ」「なぁ?」みたいな。
さだと泉谷も、若手との交流は「大事」とうなずき、さだは「年上だから大事にしてくれる。彼らの人気が出れば出るほど、(先輩である)私も一緒に上がっていくんですよ」と、ジェスチャー交じりに語り、笑わせた。
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