11月半ばになり、気温がぐっと下がってきた。屋内と屋外で寒暖差が大きいこの時季は体調を崩す人が多い。寒暖差による体調不良は自律神経の乱れが原因になっていることが多く「寒暖差疲労」や「寒暖差アレルギー」などと呼ばれる。なぜ体調不良になるのか、対処方法はどうすればいいのかを医師に聞いた。(Sデジ編集部・吉野仁士)
山陰両県では今月10日、各地で今季一番の冷え込みとなった。気象庁によると、最高気温は松江14・0度▽赤名(島根県飯南町)8・2度▽鳥取16・8度▽境(境港市)13・8度など。両県の29の観測地点のうち、11地点が12月上旬から中旬並みの気温の低さだった。冬になると、屋内から一歩外に出た時の寒暖差は、さらに大きくなるだろう。
▼普段は優秀な自律神経だが…

島根県立中央病院の神経内科部長、青山淳夫医師は「寒暖差による不調は体内の自律神経のバランスが崩れて起こるもの。特に気温が大きく変わる春と秋に起こりやすい」とする。
自律神経は環境の変化を受け、体の機能を調節する働きを持つ。体が活動的な時に働く「交感神経」と、体を休める時に働く「副交感神経」があり、普段は両方がバランスを取ることで環境の変化に適応している。運動の際、筋肉に多くの血液と酸素を送るために、交感神経が血圧を上げ、心拍数を早くする。副交感神経は反対に、血圧を下げ、心拍数を減らす役割を持つ。
体温調節についても同じ機能が働く。寒さを感じると、熱を逃がさないために交感神経が働き、血管を締めたり、肌を覆うために毛を立たせたりする。寒くて鳥肌が立つのは自律神経が働いたためだ。
自律神経はだいたいの環境の変化に適応し、私たちの体を守ってくれている。ただ、限界はあり、青山医師は「自律神経が体温調節をする際に温度差が大き過ぎると、調節が追い付かない。また、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて体の別の部分に不調が出ることがある」と話す。
▼バランスが崩れて起きるさまざまな不調
では、自律神経のバランスが崩れるとどんな症状が出るのだろうか。
代表的な症状は疲労感や肩こり、頭痛。青山医師によると、寒暖差で自律神経が乱れると、興奮状態が続くことで筋肉が緊張し、肩こりや頭痛につながるという。緊張が全身に広がると、疲労感やけん怠感が出てくる。
自律神経は消化器の胃腸にも働き掛けるため、下痢や便秘といった症状も起こるという。症状としては真逆だが、どちらの症状も起こりうるというのは意外だ。このほか、いらだちのように精神面に影響を及ぼすこともあるという。
自律神経の乱れによる症状の重さには個人差がある。医療機関で受診すると、医師から、頭痛を和らげる体操や、休息の取り方の指導、症状に合った薬の処方をしてもらえる。青山医師は「自律神経の乱れによる体調不良には明確な指標がなく、医者でも分かりづらい」と診断に難しい面があることを説明する。
青山医師によると、医学的に「寒暖差疲労」という用語はなく、自律神経の乱れによる不調を一般向けに分かりやすく言い換えた言葉だという。「寒暖差による体調不良は、自律神経のシーソーが一時的に一方に傾いてしまった状況。ずっと戻らなくなると『自律神経失調症』という病気になり、治療が必要になる」と付け加えた。

最近、テレビや雑誌で「寒暖差アレルギー」という言葉を目にする。寒暖差が大きくなって、アレルギー性鼻炎のように、急にくしゃみや鼻水が出ることのようだ。
県立中央病院のリウマチ・アレルギー科部長の永村徳浩医師は「鼻詰まりや鼻水は寒い空気が刺激となって起こる自律神経の反応の一つ。温度差が大きい場合、神経がより敏感に反応し、症状が強く出る可能性はある」と説明する。アレルギーは体内に侵入した異物を排除しようと体が過剰に反応することで「寒暖差による反応はアレルギーとは違う」と指摘する。急激な温度差によって症状が鼻に強く出ることが「寒暖差アレルギー」とされているようだ。
▼「寝る時に靴下」は自律神経に良くない?
寒暖差によって引き起こされるつらい症状を抑える方法はあるのだろうか。
すぐにできるのは、衣服を臨機応変に替えて体感の温度差を小さくすることだという。自律神経への負担を軽くすれば神経は正常に働き、不調は現れにくい。朝「寒い」と思った日は一枚羽織れる上着を着て出掛ければ、体感温度を調節できる。
青山医師は「規則正しい生活や運動をし、そもそも自律神経が乱れないような体調管理を心掛けるのが大切」と話す。自律神経の働きは体調にも左右されるため、睡眠不足やストレスにより、働きが鈍ってしまう。
早寝早起きはもちろん、うっすら汗がにじむ程度の軽い運動を短時間することで、交感神経と副交感神経をバランス良く働かせることができる。1日30分、家の周りをウオーキングするだけでも十分だという。良質な睡眠のためには入浴の時間が大事で、寝る90分前に38~40度のお湯に漬かると寝るまでに体が冷え切らず、リラックスして眠れるとする。
これからの季節に注意が必要なのは、寝る時の格好。寒さのあまり靴下を履いて寝る人がいるが、青山医師は自律神経にとっては良くないという。「布団に入った時、体熱を放出できるように手足には何も着けない方が良い。布団に覆われて熱がこもると体温が下がりにくくなって体温が上がるが、自律神経は寝ている間ずっと体温を下げようとするので負担が掛かる」(青山医師)。素足では夜の厳しい寒さに負けそうだが、自律神経のためには靴下なしの方が良いそうだ。
寒暖差によって引き起こされる体調不良にはさまざまなものがあった。睡眠不足やストレスは自律神経の乱れだけでなく、体の抵抗力の低下にもつながるとされる。この冬はインフルエンザや、新型コロナウイルスの再拡大が懸念され、体調を整えておくように心掛けたい。
November 17, 2021 at 02:05AM
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/122588
「就寝時の靴下」はNG!? 寒暖差による体調不良を防ぐには(Sデジオリジナル記事) - 山陰中央新報
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