お散歩中のワンコのリードに“黄色いリボン”がついていたら、それは「そっとしておいて」というサイン……。さまざまな事情で人や犬との交流が難しいワンコたちへの理解を深める運動「イエロードッグプロジェクト」を描いた漫画がTwitterで注目を集めています。
「イエロードッグプロジェクト」とは、「臆病な性格で、見知らぬ人や犬が近づくと吠える」「虐待の過去を持ち、飼い主以外の人間が近づくと怖くて震える」など、さまざまな“事情”を抱えるワンコたちが黄色いリボンをつけることで、「近づかないでね」という意思表示をする取り組み。その他、健康上の問題やしつけトレーニングの最中など、社会復帰訓練中のワンコたちがストレスなく過ごせるよう配慮するもので、2016年にスウェーデンで発祥したといわれています。
漫画作者のネコロス(@youyakuya)さんは、ネットニュースで「イエロードッグプロジェクト」を知り感銘をうけたとのこと。“世間に広く知ってもらえたら”と考え、4コマ漫画に描いたそうです。
漫画には「初めて知りました!」「知らなかった」と、黄色いリボンの意味を知らなかった読者からリプライが寄せられ話題に。また、「リボンをつけていても、認知度が低く困っていました」「日本ではまだ全然浸透していないです」など散歩中に声をかけられて困っている飼い主さんからの切なるコメントも集まっていました。
まだまだ日本では認知度が低い「イエロードッグプロジェクト」。今回ねとらぼでは、日本国内で同プロジェクトの認知度を高めるため活動しているNPO法人「迷子犬の掲示板」代表・木崎亜紀さんに話を聞きました。
Yellow Ribbon Dog
NPO法人「迷子犬の掲示板」代表の木崎亜紀さんが中心となって活動するプロジェクト。黄色いリボン(=Yellow Ribbon)の意味をより多くの人に知ってもらおうと、リボンやグッズの製作・配布をしている。「迷子犬の掲示板」は全国の迷子犬の情報を一元管理し、情報発信するネットワーク。迷子にしてしまった飼い主に的確なアドバイスをすることで、迷子犬の早期解決につなげている。
――まずは、日本での活動内容について教えてください。
各SNSでイエロードッグプロジェクト、団体の活動内容などさまざまな情報を発信しています。また、イエローリボンの認知度がまだまだ低いためより分かりやすく伝わるように「はなれていてね」という言葉とワンコのイラストがかかれた缶バッジも作りました。
缶バッジは小サイズだけで500個以上配布しており「近づいてきた人に説明しやすくなった」「缶バッジを見てハッとして離れてもらえる」「社会化トレーニング中の保護犬の散歩につけていると安心してトレーニングに集中できる」など、たくさんの方によろこんでもらえています。
――「Yellow Ribbon Dog」の活動を始めたきっかけはなんでしょうか。
私は2015年から「迷子犬の掲示板」を立ち上げ、運営しています(2021年にNPO法人化)。Instagram(@maigo_dog)、Twitter(@maigo_dog_)、Facebookにて全国の迷子犬の情報を発信し、目撃情報やアドバイスを集め、早期解決の糸口になるようにと飼い主さんたちの手助けをしています。その活動をしている中で海外での「イエロードッグプロジェクト」を知り、掲示板で広報などはしていました。
「迷子犬の掲示板」の活動が軌道に乗った頃、ふと近所の友人のワンコがイエローリボンを付けていることに気が付き、話を聞いてみたんです。すると「ずっとリボンをしているけど、ほとんど分かってもらえないの」「逆に『可愛いおリボンね』と寄ってこられてしまうこともある」と聞き、イエロードッグプロジェクトが日本では全く浸透していないことを痛感しました。
そこで「迷子犬の掲示板」を立ち上げた経験やたくさんの方とのつながりを生かして、イエロードッグプロジェクトの認知度アップを図ろうと決意。迷子の掲示板スタッフの有志数名と「Yellow Ribbon Dog(@yellow_ribbon_dog)」の活動を始めました。
現在、「迷子犬の掲示板」はスタッフが46人在籍していますが、同プロジェクトは掲示板スタッフの有志2人が企画運営、別の2人が発送担当として活動しています。また、掲示板スタッフ十数人がヒアリンググループに参加して相談に乗ってくれています。
プロジェクト名を「Yellow Ribbon Dog」にした理由は、「イエロードッグプロジェクト」では趣旨や“リボンをつける理由”が分かりにくいため、「イエローリボン」という文言を前面に出しました。SNSでは「#イエローリボンドッグ広め隊」「#イエローリボンドッグ」のハッシュタグをつかって活動しています。
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