インタビュー
ボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」は本日(2021年11月23日),6つの重大発表を行い,そのなかで株式会社「アルゴナビス」設立を含める展開を明らかにした。今回4Gamerは,新会社アルゴナビスの代表取締役に就任する村上一馬氏へのインタビューを行う機会を得た。新会社設立やプロジェクト名変更の経緯を詳しく聞いていくと,それは「BanG Dream!」発……という看板からの独立宣言ともとれる内容であった。
あわせて発表された年明けに向けた怒涛の展開をはじめ,この重大発表の前日にアナウンスされたスマートフォン向けゲーム「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」(以下,「ダブエス」。iOS / Android)のサービス終了についても聞いてきたので,ぜひ最後まで読み進めてもらいたい。
これからの物語はどうなる? グッズは? ライブは?
気になる今後について徹底インタビュー
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回発表された新展開のお話を伺う前に,まずは「ダブエス」の終了についてお聞かせいただけますか。
アルゴナビス代表取締役・村上一馬氏(以下,村上氏):
ARGONAVISプロジェクトが発足してから早い段階で制作を進めていた「ダブエス」は,プロジェクトのなかでも大きいコンテンツの1つでした。楽しんでいただいている方も多いなかでの終了になってしまい,非常に心苦しく申し訳ない気持ちです。
アプリが終了することで「今後プロジェクトはどうなってしまうんだろう」と思う方も多いかもしれませんが,そこに関しては「今後も続いていく」ということを今日はぜひお伝えしたいと思っています。
4Gamer:
アプリは2022年1月いっぱいまで遊べるとのことですが,メインストーリーはどうなりますか。
村上氏:
アプリの終了までに何回かメインストーリーの更新があり,最終章まで公開されます。
4Gamer:
そうなんですね。アプリが終了すると聞いて,まずファンの方が心配するのは「キャラクターたちにはもう会えない?」「物語はどうなる?」といったところかと思います。
村上氏:
物語自体は,今後もいろいろな形で展開していく予定です。まだ具体的にお話しできないこともあるのですが,たとえば今もやっている朗読劇など,キャラクターのお話を楽しんでもらう機会は今後も増やしていきたいと思っています。
朗読劇以外でも,もともとアプリが始まる前はボイスドラマでストーリーをお届けしていたので,そういった手法を含め,お客さまに楽しんでいただける機会を多く提供できたらと。
4Gamer:
リアルライブやオフラインイベント,グッズ販売などはどうなりますか。
村上氏:
リアルライブは2022年以降も続けていくつもりで,むしろ数を増やせればと思っております。オフラインイベントについても,この前の「ナビハロ」(2021年10月15日開催「ナビハロ! -GYROAXIA Halloween Party-」)が無事開催できましたので,そういった機会や,配信番組も継続していきます。
グッズもこれまで通りで,たとえば店舗さんなどでの販売は続けていきますし,コラボグッズやライブグッズも展開していければと考えています。「ダブエス」は終了してしまいますが,それ以外の展開は増やしていくつもりです。
4Gamer:
安心しました。アプリの終了は個人的にも非常に残念なニュースでしたが,新たに予定されている展開の数々には,いい意味ですごく驚かされました。
ARGONAVISプロジェクト 6つの新展開
1.プロジェクト名が変更。「from ARGONAVIS」に
2.2022年早春,CG STAR LIVE公演の実施
3.2022年1月2日のリアルライブ夜公演タイトルが「from ARGONAVIS 1st LIVE -始動-」に決定
4.ファンクラブ設立
5.新たなアプリ企画が進行中
6.株式会社アルゴナビス設立。日向大輔さんが広報として携わる
◆プロジェクト名が「from ARGONAVIS」に変更
4Gamer:
ここからは新たに発表となった展開について,お話を聞いていきたいと思います。まずはこれまでの「ARGONAVIS from BanG Dream!」から,プロジェクト名が「from ARGONAVIS」に変更となります。これはなぜ変更されることになったのでしょうか。
村上氏:
アプリの終了が決まったり,先日ArgonavisとGYROAXIAがそれぞれ自分たちの出身地でライブを行なったりと,第1章みたいなものが終わったところで新しいアプリの制作が動き出し,会社も立ち上がりました。ここからまた新しくリスタートするとなったら,「BanG Dream!」という名前をお借りしている状態から脱却というか,再出発したことを表す名前にしてもいいんじゃないかということになったんです。
4Gamer:
では,新しい名前に込められた意味とは?
村上氏:
これまでは「from BanG Dream!」という名前で,「バンドリ!プロジェクト」の1つとして“from”でつないでもらっている状態だったんですね。あくまでもオリジナルがバンドリみたいな形というか。であればその“from”を頭につけて,今後は自分たち(ARGONAVIS)が主体となる意思表明をしようという意味合いです。
4Gamer:
これからの「バンドリ!」との関わりはどうなりますか。
村上氏:
積極的に関わるというわけでもなければ,意図的に遠ざけるわけでもなく,これまでと大きく変わることはないかと思います。
◆2022年のCG STAR LIVEについて
4Gamer:
次に,来年予定されている3DCGライブについて教えてください。これはいつごろから企画されていたんでしょうか。
村上氏:
キャラクターによるライブは以前からしたかったんですが,なかなか実現にこぎつけることができなかったんです。そんななか,昨年(2020年)の秋ごろにバンダイナムコアミューズメントさんからお話をいただいて,具体的に進みはじめました。バンナムさんは過去にもこうしたライブの実績があり,技術やノウハウもお持ちですし,場所もお借りできるということで,ぜひと。
4Gamer:
今はさまざまなコンテンツがバーチャルライブを行っていますが,バンド系は珍しいですよね。楽器を持って演奏しなければいけませんし,バンドだと奥行きもあるので技術的にもどうなるか気になります。
村上氏:
そうですね。これまでアプリ開発で試行錯誤してきた楽器や演奏の動きをいかす形となります。今まで「ダブエス」でスマホ越しに見ていたライブを,実際に会場で参加して楽しめると思っていただけたら。目の前に登場する等身大の彼らと実際に会えるような空間にしていきたいです。
4Gamer:
ライブには全バンドが出るんですよね。
村上氏:
はい。全5バンド25人が出場します。具体的な内容はまだお話しできないのですが,ファンの皆さんに喜んでいただけるような内容になっていると思います。2022年1月に続報を発表させていただくので,それまでぜひ楽しみにお待ちください!
◆ファンクラブ設立について
4Gamer:
ファンクラブが設立されるというのも驚きのニュースでした。
村上氏:
この記事が出るころには公開されていると思いますが,大別すると2種類のファンクラブがあります。1つはプロジェクトのファンクラブで,Argonavis,GYROAXIA,Fantôme Iris,風神RIZING!,εpsilonΦの5つのバンドをまとめたものですね。会報誌の発行があったり,キャラクターとの関わりが持てるようなファンクラブとなります。
もう1つがアーティストのファンクラブになりまして,こちらはArgonavisとGYROAXIAのそれぞれにできます。これはどちらかというと,演者さん寄りの内容になります。
4Gamer:
ちょっとした疑問なのですが,Fantôme Irisと風神RIZING!,εpsilonΦは“アプリの3バンド”という面もありましたよね。彼らについても,今後ストーリーなどの展開があったりと,引き続きプロジェクトで扱っていくのでしょうか。
村上氏:
このあとお話ししますが,今後もその3バンドの展開は続いていきますので,安心してください。
◆企画進行中の新アプリについて
4Gamer:
そして新しいアプリの企画が進行中とのことですが,お話しできる範囲でお聞かせください。
村上氏:
開発会社さんはまだお伝えできないのですが,制作に向けて動いていて,内容も詰めている状況です。リリース時期のめどもある程度立ったところなので,そこに向けて準備を進めていますね。
4Gamer:
さすがに内容はまだ明かせませんよね……?
村上氏:
軽くお話しすると,キャラクターと深く関われるような内容を考えています。また,「ダブエス」は終わってしまいますが,あのストーリーがなかったことになるわけではなく,登場するのはあのなかでの経験を踏まえたキャラクターたちではあるので,「ダブエス」での話は何だったの? ということにはならないです。
4Gamer:
では「ダブエス」の終了後にファンになった人や休止していた人は,彼らの物語を後追いできる措置はあるのでしょうか。
村上氏:
アプリゲーム以外で「ダブエス」のお話を遡れるよう,準備を進めています。
4Gamer:
良かったです。「バンドリ!プロジェクト」だったこともあり,「ダブエス」はリズムゲームでしたが,新しいアプリはどうなるのでしょう。
村上氏:
リズムゲームにする予定はなく,シナリオを中心に展開できるようなアプリを考えています。
4Gamer:
アプリの完成は少し先になると思いますが,それまでボイスドラマなどはどのような形で展開されるのでしょうか。
村上氏:
おそらくはYouTubeを軸にするとは思いますが,今はいろいろな形でボイスドラマを楽しめるプラットフォームもあるので,これまでやっていなかったところも取り入れつつ,たくさんの人に聞いてもらえるような手段を取れればと思っています。
◆株式会社アルゴナビス設立!
4Gamer:
今回発表された新展開のなかで,個人的には新会社設立のニュースがもっとも驚きました。まずは設立に至った経緯からお聞かせいただけますか。
村上氏:
内部的な話ですが,「キャラクター」「音楽」「グッズ」を扱う部門がそれぞれ別だったんですよね。会社の組織としては当たり前ではあったのですが,これが一堂に会して話を進めたほうが,より良いものを作れるんじゃないかというのが理由の1つです。
もう1つは,アプリが終了することが重なって,これから展開する新アプリやCGライブ,ファンクラブなどARGONAVISとしての展開が増えていくなかで,「これからもプロジェクトが続いていく」ことをお客さまに感じていただきたい想いがありました。
4Gamer:
それにしても,会社を1つ立ち上げるのはすごいことだと思います。これはブシロードの子会社になるのでしょうか。
村上氏:
子会社です。キャラクターや音楽など複数の部門が一緒になるとプロジェクトの経済状況なども把握しやすくなるし,1つの会社にすることで足並みをそろえやすくもあるので,いろいろと都合がいいという側面もありました。
4Gamer:
そのなかで村上さんが代表といいますか,社長に就任されるんですよね。プロデューサーとして関わってきたかと思いますが,ご自身の役割はこれまでと何か変わりますか?
村上氏:
役割的にはあまり変わらないんですよ。代表としての仕事は,プロジェクトの収支の最終的な確認を私がするようになるくらいで,コンテンツのプロデューサーとして現場レベルでプロジェクトを見ていくことはこれまでと変わりません。ほかの社員もそうなので,自分たちがする仕事もお客さまからの見た目も,大きな変化はないかもしれないですね。
4Gamer:
分かりました。あと,広報が日向大輔さん(Argonavis 五稜結人役)になるんですよね。日向さんはどういうことをされるのでしょうか。
村上氏:
プロジェクトの動きをお客さまに届ける際に,日向さんからお伝えしていただくことが増えるだろうというのが1つ。それから,これまでもスタッフ側とキャスト側は密に連携を取っていましたが,キャストさんが内側にくることにより,プロジェクトがより一丸となると考えました。
4Gamer:
ではキャストさんのなかでも,その役目を日向さんに決定された理由は何ですか。
村上氏:
これまでもプロジェクトの発表時には日向さんが出演,登壇されることも多く信頼があったことに加え,「Argonavisのメンバーを集めたのが結人」なので,日向さんがこちらの会社に合流するのは自然に決まりました。
4Gamer:
それはめちゃくちゃエモいですね! ちょっと感動しました。ちなみに,この会社の構成はどのようになるのですか?
村上氏:
これまでにARGONAVISプロジェクトに関わっていた人間が「株式会社アルゴナビス」の一員になる感じです。なので,音楽統括の北岡那之プロデューサーもここに入ります。リアルライブなどの音楽面も含め,ARGONAVISに関する企画はすべてこの会社が行い,進めていくので。
4Gamer:
今までARGONAVISチームだったみなさんが,新しい会社の一員となるわけですね。何となくベンチャーっぽいイメージを感じました。
村上氏:
そうなんですよね。社内ベンチャーのようなイメージが近いかなと思います。
4Gamer:
ちなみになんですが,「株式会社アルゴナビス」には企業理念的なものはあるのでしょうか。
村上氏:
企業理念ですか。まだ考えていなかったんですが,たしかに決めておきたいですね。考えておきます(笑)。
4Gamer:
御社のご活躍を楽しみにしております!
村上氏:
僕も楽しみです。大変といえば大変なんですけど,みんなすごく活気にあふれていますね。
怒涛の新展開,ARGONAVISのさらなる夢は?
4Gamer:
かなりたくさんの展開が予定されていますが,このほかにやってみたいことや目標はありますか。
村上氏:
今後の展開に関して言いますと,これまでやってきたことは継続しつつも,せっかく新しく会社も立ち上がるのでベンチャー感を良い意味で感じられるような動きをしていければなと思ってますね。朗読劇やバーチャルライブなどもありつつ,こういうふうに仕掛けてきたんだと思ってもらえるようなことをできればなと現状は考えています。
4Gamer:
アプリは終了してしまいますが,ものすごくプロジェクト自体の“やる気”を感じます。アプリの終了にショックを受けている人は多いでしょうし,言い方が難しいですが……。
村上氏:
そうですよね。心配されている方も多いかもしれませんが,これだけの活動をするならまだまだやる気じゃん! と思っていただけたら。
4Gamer:
ARGONAVISプロジェクトは海外のファンも多いと感じることがよくありますが,海外展開などは考えておられますか?
村上氏:
そうなんですよね。そもそもTVアニメ版の海外配信をしていたからか,バレンタインやキャラクターの誕生日などに,頑張って勉強したであろう日本語の文章をしたためて贈ってくださる外国のファンの方も多いんです。なので,海外でも何かしらの形で展開できればなというのは考えています。情勢を鑑みつつ,具体的に固めていければ……。いつかは実現したいですね。
4Gamer:
期待しています。それでは最後に,ナビのみなさんにメッセージをお願いいたします。
村上氏:
アプリ終了のお知らせはいつも遊んでくださっている方々に申し訳なく思っています。ネガティブなニュースですが,発表となった情報や劇場版2作目など,ポジティブな展開に期待していただけたらと。これ以外にもいろいろな予定もありますし,ARGONAVISプロジェクトが減速するということはありません。今後の展開もぜひ楽しみにしてただけると,プロジェクトメンバー一同大変うれしく思います。これからもよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
――2021年11月10日収録
(C)ARGONAVIS project.
(C)DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
(C)bushiroad All Rights Reserved.
(C)ARGONAVIS project.
(C)DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
(C)bushiroad All Rights Reserved.
からの記事と詳細
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiNWh0dHBzOi8vd3d3LjRnYW1lci5uZXQvZ2FtZXMvNDE5L0cwNDE5NDcvMjAyMTExMTYwMDcv0gE5aHR0cHM6Ly93d3cuNGdhbWVyLm5ldC9nYW1lcy80MTkvRzA0MTk0Ny8yMDIxMTExNjAwNy8_YW1w?oc=5
エンタメ
Bagikan Berita Ini
0 Response to "「ARGONAVIS from BanG Dream!」から“from ARGONAVIS”へ。新会社設立やプロジェクト名変更の経緯を,代表取締役・村上一馬氏に聞く - 4Gamer.net"
Post a Comment