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足元を包むアイヌの心 文様編まれた靴下、ウポポイで販売 浦和の店舗の看板商品 - 東京新聞

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「アイヌ民族の文化に強く引かれる」と話す越野さん=さいたま市浦和区の「さきっちょ」で

「アイヌ民族の文化に強く引かれる」と話す越野さん=さいたま市浦和区の「さきっちょ」で

 アイヌ民族の文様が編み込まれた靴下が、さいたま市浦和区の靴下店「さきっちょ」で販売されている。北海道出身で店主の越野陽子さん(52)が一目見て惚れ込み、「店のシンボル商品に」と並べているもの。この春からは国立アイヌ民族博物館がある北海道白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の土産物店にも置かれることになった。(浅野有紀)

 商品名の「イワンケ」は、「元気である」「健やかである」という意味のアイヌ語から名付けた。アイヌ文化では体や心に邪気が入らないよう、伝統文様の刺しゅうを足先に施す習わしがあるという。二〇一一年四月に靴下販売を始めた当初から取り扱っていたが、人気はいまひとつであまり売れなかった。

 幼いころからアイヌ民族の文化を身近に感じていたという越野さん。改めて関連の本を読んだり、アイヌ工芸作家から話を聞いたりするうち、ますます魅了された。「アイヌ民族は、全てのものには魂が宿っていると考える」という作家の言葉に感銘を受け、文様の意味や文化を分かってもらえる場所で販売したいという思いが芽生えた。

 二〇年七月にウポポイが開業すると、土産店での販売を打診した。交渉は難航したが、工芸作家のアドバイスを受け、一年かけて文様の形や色合いを改良。白老町にも何度も足を運び、今年四月、正式に取り扱ってもらえることになった。

 イワンケは一足二千六百四十円(税込み)。国内に数台しかないイタリア製の特殊な編み機を使い、職人により編み上げられている。色はネービー、レッド、ベージュの三色。ウポポイの土産店とさきっちょ、さきっちょのオンラインショップで購入できる。

 アイヌ文化が登場する人気漫画「ゴールデンカムイ」の影響で興味を持つ人もいて、売れ行きは好調。「今までの靴下に戻れない」と履き心地を気に入ってくれる客もいるという。越野さんは「アイヌ民族の『地球に生きる私たちは生き物や自然と共存し、愛と感謝を持って生きる』という世界観を足元から感じてほしい」と話している。

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June 07, 2022 at 05:48AM
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