「第62回 輝く!日本レコード大賞」(日本作曲家協会主催)の授賞式が30日、東京・初台の新国立劇場で無観客で行われ、歌手のLiSA(33)が、大ヒット中の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の主題歌「炎(ほむら)」で大賞を受賞した。最優秀新人賞には、歌手の真田ナオキ(31)が選ばれた。
LiSAがアニメソング界の枠を超え、日本の音楽シーンを代表するアーティストに上り詰めた。ドレスアップし、「炎」を力強く歌い上げた。
日本の歴代興収1位の新記録(324億7889万5850円)を樹立した劇場版との相乗効果で、楽曲も記録ラッシュとなった。
「大変なことがあっても生きていかなければいけないんだ―という強い覚悟を歌った」という同曲。10月に同時リリースした新アルバム「LEO―NiNE」と共に、オリコン週間ランキング1位を獲得。CDシングルでは悲願だった初首位を手にした。各配信サイトのデイリーチャート55冠を達成。ストリーミングの累計再生回数も歴代最速で1億回を突破した。
その勢いは海を渡り、アップルミュージックが世界で最も聴かれている楽曲を紹介するプレイリスト「トップ100:グローバル」で日本アーティストと歴代最高位の7位を記録。昨年7月リリースのアニメ「鬼滅の刃」のOPテーマ「紅蓮華」と並び、今なおヒット街道を進む。
LiSAはバンド活動を経て、10年にアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカルに抜てきされ、メジャーデビューした。「Fate/Zero」や「ソードアート・オンライン」「魔法科高校の劣等生」など数々の人気アニメの主題歌を担当。歌唱力の高さと熱のこもったパフォーマンスでファンを増やし、17年の「Catch the Moment」はスマッシュヒットとなった。
ここまで順風満帆にみえるが、苦悩もあった。30歳、自身の未来を想像した時に何も描けなかった。「できる限り走る。終わったら終わったで燃え尽きた時。すごく苦しかった」。そんな時に巡りあった楽曲が「紅蓮華」だった。作品のヒットと相まって昨年、紅白に初出場。「幸せな出来事が待っていた。ご褒美が待っていると思えた時に希望を持てました」。不安、葛藤、様々な感情から解き放たれ、未来が一気に開けた。
来年ソロデビュー10周年を迎える。「2020年に計画していたこと、止まっていたことが倍になって動き出す」とLiSA。2年分の思いを歌声に込める。
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