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赤ちゃんへの“靴下履かせろ攻撃”…暑い日の屋外でも本当に必要? 日本小児科医会に聞いた - www.fnn.jp

kutsu.prelol.com

新型コロナの影響でなかなか家から出られなかった人も多いだろう、今年の夏。

とはいえ小さい子どもたちがいる家庭では、家の中にずっといるのも難しい。感染症対策はしっかりしつつ、近場に散歩などに出かけている人もいるだろう。

そんな中、ベビーカーに乗って足には靴下を履くなど“ばっちり装備”の赤ちゃんを見て、ふと「暑そう…」と心配になった経験はないだろうか。

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インターネット上では、夏場の赤ちゃんの靴下について「夏は履かせないほうがいいみたい」とのお母さんたちの意見が数多く投稿されているものの、中には屋外・屋内問わず「赤ちゃんの靴下は?足が冷えるわよ!」と注意されるなどの“赤ちゃんに靴下履かせろ攻撃”を受けたという体験談もいくつか確認できた。

確かに、スーパーや家の中など、クーラーが効いている空間では「冷えてしまうのでは…」と心配になってしまう気持ちも分かるが、暑い日の屋外でも赤ちゃんに「靴下」は必要なのだろうか?
日本小児科医会 小児救急医療委員会の担当医師に「赤ちゃんの靴下問題」と熱中症リスクについて、お話を聞いてみた。

「基本的に不要です」

――気温が高い日に靴下…赤ちゃんには必要なの?

不要です。子どもは基本的に暑がりで、熱放散を使って体温を調節しています。靴下を脱いで気持ちよさそうなのは、その現れです。

ただし、強い冷房などで大人が寒いと感じる環境では、場合によって必要になる場合もあるでしょう。冷房の影響を大人よりも強く受けることにも注意して下さい。

――「赤ちゃんにはいつでも靴下を履かせるべき」…このような意見についてはどう思う?

基本的に赤ちゃんに靴下は不要です。生後半年以内では、上記の強い冷房などで大人が寒いと感じる環境では靴下を履かせることもあり得ると思います。赤ちゃんの状態を良く見えるようにしておくことが重要で、掛け物をかけて赤ちゃんが見えにくくなるよりは、という意味です。

また、お座りから立位になる頃からは靴下は滑るので、むしろ危険なことがあります。

――赤ちゃんにどんなサインが見られたら熱中症の可能性あり?

元気がない、哺乳力低下、不機嫌、過敏など、子どもの体幹がすごく熱い、など一般的な症状です。その症状から熱中症を疑うには、子どもをよく観察して、想像力を働かせることが必要です。困ったら#8000(子ども医療電話相談)等に相談して下さい。

自分(保護者)の感覚を大事にし、かつ、子どもの環境を考慮してください。

――では外出時の赤ちゃんの服装は、どんなことに気をつけるべき?

赤ちゃんの状態を日頃からよく見ていて、ご自分の感覚を大事にして、衣服、靴下、掛け物などで、こまめに調節してあげること。汗をかいたら早めに着替えること、などをお願いします。

環境省の熱中症環境保健マニュアルによると、「熱放散(体内に溜まった熱を体外に逃す方法)」には、皮膚の表面から直接熱を外気に逃がしたり、かいた汗が気化するときに熱を奪っていく気化熱を利用するなどの方法があるそう。

だが、これらを使った体温調節能力がまだ十分に発達していない子どもたちが“ばっちり装備”をしてしまうと、体からうまく熱を放出することができなくなり、熱中症のリスクがある。

室内に長時間とどまる場合は、赤ちゃんは大人よりも冷房の影響を受けやすい面もあるため、「体が冷えてしまうかも…」と心配するのは間違ってはいないが、日本小児科医会によると、気温の高い屋外で赤ちゃんに靴下を履かせることは、基本的には不要だという。

お散歩には調節用の衣類を持って(イメージ)

ただし、赤ちゃん用靴下は、体温調節用のアイテムとしては有能なので、屋外から屋内へ移動する場合など、サッと調節できるようにバッグの中に一組、入れておくと安心だろう。

赤ちゃんの熱中症リスクはベビーカーにも

――服装の他には、どんなところに赤ちゃんの熱中症リスクがある?

ベビーカーの環境は、仰臥位、ベビーカーからの熱伝導、輻射熱、風通し、など、立位の大人とは異なることを想像して下さい。日ごろから、そのようなキャンペーンを行うのもよいです。

赤ちゃんの熱中症は、駐車場や一般道路で起こることが6割以上との報告があります。これには、保護者の努力だけではなく、社会全体の努力が必要です。車内放置事件を防ぐには、保護者が注意するだけでなく、以下のような社会全体の取り組みが必要と考えます。

(1)ゲーム企業が、小児の車内放置への注意を呼びかける、院内放送を一定間隔で流したり、ゲーム機画面に表示する、など。
(2)子どもを預かる業種(保育所など)は、一定時間毎に、子どもの所在を確認出来るシステムを作る。保護者へ、子どもを預かる業種から、子どもを預かっていることを知らせるシステムを義務化する。
(3)自動車メーカーが「車内放置小児」を検知できる、車外に知らせるシステムを作る。
(4)ベビーカー・チャイルドシートの安全性の向上にメーカーは努力すべきで、そのようなメーカーが消費者から選ばれるようになるべき。乳児の熱中症予防に配慮したベビーカーを作る。一定時間高温にさらされた場合のアラーム機能を作る。製造物責任としてベビーカーでの熱中症についての記載・キャンペーンを義務づける、など。

また、他にも注意が必要なのが、車の中への閉じ込めはもちろんのこと、ベビーカーでの散歩時の熱中症リスク。

編集部では以前、地面に近く照り返しの影響を強く受けたり、日よけカバーの影響で熱がこもってしまうベビーカーに潜む熱中症リスクをご紹介したが、こういったリスクがあることをあらかじめ知っておくことが、赤ちゃんを熱中症から守ることに繋がっていくだろう。

熱中症リスクを減らすためには、普段から赤ちゃんの様子をよく観察して、「いつもより少し元気がない?」「体がちょっと熱いかも…」などの変化に気がつくようにすることと、こまめに体温を管理・調節してあげることが大切だ。
 

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September 23, 2021 at 09:40AM
https://www.fnn.jp/articles/-/234927

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