スタジオコロリドの長編アニメーション映画『雨を告げる漂流団地』が、2022年に公開される。
『ペンギン・ハイウェイ』のスタジオコロリド最新作
映画『雨を告げる漂流団地』は、アニメーションスタジオ・スタジオコロリドの最新作。2018年に第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、ファンタジア国際映画祭 今敏賞(ベストアニメーション賞)を受賞した初の長編映画『ペンギン・ハイウェイ』、2020年公開の『泣きたい私は猫をかぶる』に次ぐ、長編アニメーション映画第3弾となる。
団地で育った少年少女の“ひと夏の冒険”
物語は、団地で育った幼馴染、小学6年生の航祐(こうすけ)と夏芽(なつめ)を軸に展開するファンタジー。夏休みのある日、取り壊しの決まった団地で遊んでいると、不思議な現象に巻き込まれてしまう。気づくとそこは、あたり一面の大海原で...。航祐たちは元の世界に戻れるのか?ひと夏の別れの旅がはじまる。
監督は『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康
監督を務めるのは、33歳の若さで長編映画2作目となる石田祐康。『陽なたのアオシグレ』で第17回文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門の審査委員会推薦作品に選出、『ペンギン・ハイウェイ』では29歳という若さで長編監督デビューを果たした気鋭監督が、みずみずしく浮遊感のあるフィルムで、マジックリアリズムの世界観を鮮やかに描き出す。
キャラクターデザイン・キャラクターデザイン補佐は、『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』の永江彰浩と加藤ふみが、再タッグを組む。
監督:石田祐康 コメント
団地に惹かれました。明快な建物の形。広々とした緑豊かな敷地。この国が焼け野原から立ち上がる象徴としてあった姿と、裏腹に疎まれ壊されてきた生い立ち。それでも、装いを更新し生き続ける姿。それもこの場所を望み、暮らし、憩う、新しい世代のために。戦後の日本人の原風景となって、今もなお縁の下で人を支えようと頑張る存在。健気だ…。
この映画に登場するある少女は団地をかけがえのない場所と思っています。しかし周りは理解できません。オンボロ団地だのオバケ団地だの言いたい放題です。取り壊しさえ始まってしまいます。少女の思いなど、関係なく。きっと誰にでもある大切な場所は往々にして他人にとっては他人事。でもだからこそ”自分だけの特別な体験”がそこにあったはず。そういう個人的な体験を他人に伝えるのは難しい事ですが、そこから飛び出てくる熱量を前にすると、せめて自分だけでも信じてやれないものかとなって…。
この映画はそういうことを信じた結果、タイトルにしてしまうほど団地に思いを寄せた作品となりました。こういう類のアニメ映画としては恐らく変わり者です。自分にとっても一つの挑戦となります。分かりやすく学校にするなどの意見もありました。苦しんで、悩んで、それでも信じるままに!逆に皆で一緒になって知恵を絞りつつ!…団地を船出させることになりました。
僕からしたらこんな“ちっぽけな”個人の思いを、多くの方の力を借りて大きく作らせてもらっているんです。その申し訳なさと同時に有り難いことと考え、身が引き締まる思いで取り組んでいます。…巻き込んでしまったからには…良い形にしたい!頑張りたいです。
2022年、この団地が漂流する果てに少年と少女は何を見るのか。ご期待ください。
【詳細】
アニメ映画『雨を告げる漂流団地』
公開時期:2022年 日本全国ロードショー&Netflix 全世界独占配信
監督:石田祐康
脚本:森ハヤシ、石田祐康、坂本美南香
キャラクターデザイン:永江彰浩
キャラクターデザイン補佐:加藤ふみ
音楽:阿部海太郎
企画プロデュース:山本幸治
制作:スタジオコロリド
企画:ツインエンジン
<『雨を告げる漂流団地』あらすじ>
幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は最近お互いを避け、ギクシャクしている様子。
夏休みのある日、二人の姿は取り壊しの決まった団地にあった。
その団地は、二人がかつて育った思い出の場所。
航祐たちが団地で遊んでいると、突然不思議な現象に巻き込まれる。
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
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