社会現象が止まらない。人気アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の累計興行収入が8日までに約204億8300万円に達したと、配給する東宝とアニプレックスが9日、発表した。
公開から24日間での200億円突破は、日本で上映された映画の中で最速という。
「私はもう2回も見に行きました。来週も涙活に行きます!」「最後は涙、涙で…」「杏寿郎、サイコー!」――。ネット上の感想を読んでいると、「鬼滅―」の映画が多くの人を惹きつけている理由は、家族思いの主人公の少年剣士、竈門炭治郎の人気だけではない。「炎柱」と言われる金髪の煉獄杏寿郎のラストの姿が多くの観衆の共感を得ているようだ。
ネタバレになるので、詳しくは原作や映画を見て欲しいのだが、このシーンを見た日刊ゲンダイの中年記者は「これは!」と思ったことがある。過去のアカデミー賞受賞映画の結末とそっくりなのだ。
記者の頭に浮かんだ「このラスト、あの場面にそっくり」と思った作品は2本だ。
1つめは、1995年に公開され、「第68回アカデミー賞」で作品賞や監督賞など5部門を獲得した「ブレイブハート」(メル・ギブソン主演・監督)。もう1つは、2000年に公開され、「第73回アカデミー賞」を受賞した「グラディエーター」(リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演)だ。
ともに正義のために圧倒的な権力、武力をもつ強大な相手と戦い、最後は力尽きてしまう展開。最期を迎えた主人公が目にするのが、愛する妻や息子の姿だ。
人としてどうあるべきか。自分は正しい生き方だったと胸を張れるだろうか。「鬼滅の刃」ファンであれば、この2作品の良さもきっと胸に刺さるだろう。
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