前作「エール」からのバトンを受け、NHK連続テレビ小説103作目となる「おちょやん」(月~金 BSプレミアム・午前7時30分~、NHK総合・午前8時~)が30日からいよいよスタートする。
物語は、喜劇俳優で劇作家でもある2代目渋谷天外さんの妻で、松竹新喜劇の女優だった浪花千栄子さんの半生をモデルに、大正から戦後の激動の時代に女優の道をいちずに歩んだ女性の姿をフィクションとして描く。タイトルの「おちょやん」とは、“おちょぼさん”がなまった大阪ことばで、茶屋や料亭などで働く、小さい女中さんを意味する。女中奉公していた8年間はヒロインの原点で、言葉の親しみやすさ、かわいらしさ、意地と誇りの象徴として選ばれた。ヒロインの竹井千代を女優の杉咲花が演じ、脚本はTBSドラマ「半沢直樹」「陸王」「下町ロケット」などのヒット作で知られる八津弘幸氏が手掛ける。
注目の第1週目は「うちは、かわいそやない」(第1~5話)が放送される。
大正5年。竹井千代(毎田暖乃)は大阪・南河内にある貧しい農家に生まれた。幼い頃に母を亡くし、飲んだくれの父・テルヲ(トータス松本)と弟・ヨシヲ(荒田陽向)の3人で暮らしていた。千代は口が達者な元気な女の子だったが、弟や鶏の世話などで忙しく、小学校にも通えずにいた。
ある日、テルヲが新しい母親・栗子(宮澤エマ)を連れて帰る。「これで小学校に通える」と千代は喜ぶが、栗子はテルヲ以上に朝寝坊。そのうえ、ゴロゴロと寝ているばかりで、家事は何もしなかった。千代はそんな栗子に次第に反発するようになり、2人は対立していく。
テルヲと千代は一攫千金を夢見て、自分たちが飼っていた鶏を観賞用の鶏の品評会に持って行き、それを高く売ろうとした。そこは、ガラス工場を経営する社長の屋敷で、そのとき、千代の亡くなった母が子供のころにその工場で働いていたことがわかる。
社長の好意で鶏を買ってもらうことになるが、千代とテルヲが家に帰ると、ヨシヲが家にいない。ヨシヲが行方不明となったことで大騒ぎとなり、村中で捜索するという事態に発展するが、千代はやっとのことでヨシヲを見つける。
だが、千代はヨシヲが行方不明になった理由を聞き、ショックを受ける。ヨシヲが山の中で迷子になったのは、栗子のために薬草を探していたからだった。
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