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杉咲花主演の朝ドラ『おちょやん』 キャストや見どころをおさらい - CINRA.NET(シンラドットネット)

NHKの連続テレビ小説『おちょやん』の放送が、11月30日からスタートする。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で放送が休止になるという異例の事態に見舞われた前作『エール』は、キャストが主人公のモデルとなった古関裕而の楽曲を歌うコンサートという形で先日幕を閉じた。予測不能の状況下で外出自粛を余儀なくされるなか、朝ドラの視聴が新たな朝の習慣になったという人もいるのではないだろうか。ここでは当初の放送開始日から2か月の延期を経てついに放送を迎えることとなった『おちょやん』の基本情報と見どころを紹介する。

激動の昭和を生き抜いた、上方女優の物語。浪花千栄子がモデル

戦前から戦中、戦後まで激動の昭和期を舞台にした『おちょやん』は、大阪・南河内の貧しい家に生まれた少女が、奉公先の道頓堀で芝居に魅了され、女優の道を目指す、というあらすじ。主人公・竹井千代は、劇団への参加や喜劇界のプリンス・天海一平との結婚、戦争、そして結婚生活の破綻などを経験し、やがて芝居の世界から去る。しかしラジオドラマへの出演をきっかけに役者の仕事に復帰し、絶大な人気を獲得していく。タイトルの「おちょやん」は、「おちょぼさん」がなまった大阪ことばで、主人公の原点である、茶屋や料亭などで働く、小さい女中を意味するという。

モデルになっているのは上方女優・浪花千栄子。浪花は松竹新喜劇の前身「松竹家庭劇」に参加し、松竹新喜劇の創設メンバーでもある。溝口健二や小津安二郎、木下惠介らの映画をはじめ、ドラマ、CMなどで活躍した。

主演は杉咲花。脚本は『半沢直樹』も手掛けた八津弘幸

主人公の竹井千代を演じるのは杉咲花。1997年生まれの杉咲はこれまでにNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』や、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』にも出演している。

千代は9歳の時に奉公に出された道頓堀で芝居の魅力に目覚め、「女優になりたい」という思いから、奉公先を飛び出して芝居の道へ飛び込むというキャラクター。杉咲は千代の人物像について、番組サイトのインタビューでは「私が演じる千代は、すごく強い人。自分が落ち込んだ姿や悲しむ姿を、人前で見せないところは不器用だと感じますが、自分の力でちゃんと立って、前に進んでいこうとする姿は、格好がいいです」と語っている。

『おちょやん』で主人公の竹井千代役を演じる杉咲花
『おちょやん』で主人公の竹井千代役を演じる杉咲花

脚本を担当するのは『半沢直樹』『陸王』『ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~』といったドラマを手掛けている八津弘幸。杉咲について「お芝居がうまい方」と評する八津は、「『おちょやん』では杉咲さんの、根っからの明るさを見せていきたいですね。泣くシーンもたくさんありますが、そういうものもすべてはねのけるような、明るさや強さのある杉咲さんの魅力が出るといいなと思っています」と同じく番組サイトのインタビューで述べている。

両親役にはトータス松本と宮澤エマ、夫役には成田凌。篠原涼子や井川遥も

共演者には、千代の父・テルヲ役にトータス松本、幼い頃に母を亡くした千代の新しい母親となる栗子役に宮澤エマ。奉公先の芝居茶屋「岡安」の面々として、女将の岡田シズ役の篠原涼子、主人の宗助役の名倉潤らが登場する。篠原は連続テレビ小説初出演となる。

千代とともに「鶴亀家庭劇」に参加し、やがて結婚する「喜劇界のプリンス」天海一平役は、これまでも杉咲とさまざまな作品で共演している成田凌が演じる。さらに千代が憧れ続けるスター女優・高城百合子役に井川遥がキャスティング。「鶴亀家庭劇」の団員・高峰ルリ子役として連続テレビ小説初出演となる、元宝塚男役トップスター・明日海りおの出演も発表されている。彼女たちが千代の人生にどのように関わってくるのかも注目したい。また千代の子供時代は毎田暖乃が演じる。語りを務めるのは、落語家の桂吉弥。

主題歌は秦基博が書き下ろし。100年前の道頓堀を再現したセットにも注目

作品を彩る音楽は、ミュージカルソー奏者として知られるサキタハヂメ。主題歌は秦基博による書き下ろしの新曲“泣き笑いのエピソード”だ。

主題歌の発表時、秦は「脚本を読ませていただいた中で、主人公・千代の、どんな苦境の中にあってもめげないその心、そして、自分の身にふりかかる不幸や悲しみを糧にして、それらを「笑顔」に変えていく力強さ、明るさ。その部分に一番感銘を受けて、『泣き笑いのエピソード』という曲を書きました」と明かしている。

主題歌“泣き笑いのエピソード”を書き下ろした秦基博
主題歌“泣き笑いのエピソード”を書き下ろした秦基博

レトロな書体と緑を基調としたデザインが印象的な番組ロゴは、グラフィックデザイナーの廣田碧によるもの。また京都の撮影所の屋外スペースに作られたというオープンセットも見どころの一つとなりそうだ。当時の道頓堀に実在した劇場をモチーフとしている芝居小屋や、軒を連ねる芝居茶屋、飲食店など、約100年前の道頓堀の様子を再現したという。

『おちょやん』番組ロゴ
『おちょやん』番組ロゴ
約100年前の道頓堀を再現したオープンセットの様子
約100年前の道頓堀を再現したオープンセットの様子

なお『おちょやん』に続く次回作、2021年度前期の連続テレビ小説は『おかえりモネ』。気仙沼に生まれ育ったヒロインが、気象予報士を目指すというあらすじで、清原果耶が主演を務める。来春放送開始予定だ。

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