Search

“シナリ”がすべて。半世紀以上にわたる製靴技術が生んだ、新たなコンフォート靴とは | メンズファッションマガジン TASCLAP - TASCLAP

kutsu.prelol.com

トレンドは流行り廃りを繰り返すもので、特にファッションにおいては顕著に表れる。世の多くのブランドがその荒波の中でどのようにしてオリジナリティを出していくか、足したり引いたりする中で模索し、成熟していく。残念ながら数十年、ましてや100年以上にわたり生き残るブランドとなると、ここ日本でも数えるほどしか存在しない。

そんな中、福岡は久留米の地で140年以上の長きにわたり愛されてきたメーカーがある。1873年の創業以降、“精品主義”を掲げ高品質な靴作りを続けている『ムーンスター』だ。ひたむきに靴と向き合い、コンフォートなプロダクトに定評のある名門から、この度新ライン『シナリ(SHINARI)』が登場した。

“何かを付け足すのではなく、素材の特性と設計で良さを求める”というコンセプト通り、デザインは一貫して控えめでアノニマスな佇まい。靴が個性を強調するのではなく、着用する人の個性を引き出してくれる、そんな可能性を秘めた面持ちだ。一方でそのラインアップは、ベーシックな革靴然としたものに始まり、スリッポン、スニーカーまで実に幅広い。プレーントゥが「SUMEN(素面)」、そこにウィングチップを施したモノが「KESAU(化粧)」、メタルバックルが光るモンクストラップの1足が「ASHIGANE(足金)」と、各モデルの名称でも“和”を表現している点は、老舗ブランドらしい遊び心だろう。

もちろん、デザインだけが『シナリ』の長所ではない。同ブランドの靴を製造する、1956年設立の「ムーンスター 佐賀工場」。ここで半世紀以上にわたり育ててきた技術は、ソールの設計にも垣間見える。ファーストコレクションの6型すべてに、佐賀工場が得意とする「ダイレクト・ウレタン・ソーリング製法」が用いられているのもその証しだ。通常、ソールは糸で縫ったり接着したりしてアッパーと繋ぎ合わせるもの。その多くは経年劣化し、次第に剥がれてしまうが、こちらは接着と成型を同時に行う一体成型なので寿命が長い。それだけでなく、靴と足に一体感が生まれ、足なじみが良くなることから、『ムーンスター』では数多くのシューズにこの製法が用いられている。

『シナリ』という名は、その独自のソール設計に由来する。特別なクッション素材を搭載せず、アウトソールをゆりかごのような形に“しならせる”ことで楽な足運びと独自のクッション性を生み出した。ダイレクト製法の一体成型時に出る「バリ」をあえて残したヒールバッチもその独自性に一役買っている。

これまで『ムーンスター』が培ってきた技術力を、最大限に発揮した『シナリ』。職人一人ひとりの妥協なきものづくりの精神が宿ったこのシューズなら、トレンドにさえ左右されず、長く愛せるのは想像に難くない。


April 21, 2021 at 05:00AM
https://mens.tasclap.jp/n5212

“シナリ”がすべて。半世紀以上にわたる製靴技術が生んだ、新たなコンフォート靴とは | メンズファッションマガジン TASCLAP - TASCLAP
https://news.google.com/search?q=%E9%9D%B4&hl=ja&gl=JP&ceid=JP:ja
Mesir News Info
Israel News info
Taiwan News Info
Vietnam News and Info
Japan News and Info Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "“シナリ”がすべて。半世紀以上にわたる製靴技術が生んだ、新たなコンフォート靴とは | メンズファッションマガジン TASCLAP - TASCLAP"

Post a Comment

Powered by Blogger.