東海地方のすごいものを紹介する「東海すごいぜ!」。今回ご紹介するのは「靴下」。
オシャレを楽しめなかった人も オシャレを楽しむことができる そんな “すごい靴下”があるんです。
その靴下を開発したのは、愛知県あま市にある靴下専門の商社。さまざまなデザインや素材の靴下を企画開発し、販売しています。
色を認識しやすい靴下!?
「すごい靴下」とは?
一見するとふつうの靴下と変わらないように見えますが…。
靴下の側面に点字と文字があしらわれていて、指で触って色がわかるような靴下になっています。
靴下についているのは、ネイビーなど色を示す「アルファベット」と「点字」。
この靴下は、視覚に障害がある人のための「色を認識しやすい靴下」。触るだけで色がわかり、これで、好きな色が選べるようになったのです。
開発のきっかけ
マリモ社長 日比野ほのかさん
点字と文字を触知(しょくち)できる大きさだったり、どこにつけるか、なかなか時間がかかってしまったりだとか失敗も多く、ここまでたどり着くのに大変でした。
と、開発の苦労を語る日比野ほのかさん。
開発のきっかけは2年前。会社の創業者である日比野さんの祖父・敏夫さんの存在がありました。
日比野さん
靴下業界を盛り上げ、仕事熱心な祖父でしたが、高齢と病気もあり、片目の視力を失ってしまいました。ペアである靴下の色合わせができないことを非常に悔しがっていて、なんとか祖父の力になりたいなと。
試行錯誤の繰り返し
日比野さんが、開発するのはこれまでにない靴下。製作は難航しました。
視覚に障害がある人にもアドバイスをもらいながら、試作を繰り返しました。
開発に協力した 新井美千代さん
本当に最初は読みづらかった。
点字をつけてみたものの、点の大きさや厚み、わずかな位置のずれから正確に読み取ってもらうことができませんでした。そこで、日比野さんがこだわったのは、点字の「大きさ」と「配置」。
新井さん
何度か触らせて頂いた時に途中で切れているみたいに感じたのが、編みの中に落ち込むみたいな。触るとへこんでいて文字がないんですよ。
指摘されたのは、生地のでこぼこ。編み目や生地の毛羽立ちなど、指で触ったときに妨げにならないよう工夫する必要があったのです。
創業70年以上の老舗靴下メーカーへ相談
そこで日比野さんが相談したのは、稲沢市にある創業70年以上の老舗靴下メーカー
靴下職人 櫛田益裕さん
一度こだわりを決めたら強い社長なので、僕も最後まで一緒に自分ができることがあれば、最後までやっていこうと思いました。
生かされたのは、この会社が培ってきた「尾張の伝統的な技」。毛羽立ちを抑えた糸を使って生地を滑らかにすることで、点字と文字を認識しやすい靴下が出来上がったのです。
特許庁に出願
ことし5月に「視覚に障害がある人が色を認識しやすい靴下」として特許庁に出願、実用新案として登録されました。
開発に協力した 平瀬徹さん
点字の案内板と同じような高さとか間隔でできていてすごくわかりやすい。
新井さん
何色かわからないというのはなんとなく不安。だからあまり靴下を履かなかったが、自分で認識できて履くことができるので、これからは靴下をもっと使える。
と開発の協力者にも好評で、実際に使用している人からも、丈夫で蒸れにくく履き心地がよいと評判のようです。
日比野さん
障害の有無に限らずいろんな方がこの靴下を知っていただいて、おしゃれは足元からという言葉もあるので、靴下ライフを楽しんで頂けたらうれしいです。
November 13, 2023 at 11:42AM
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東海すごいぜ!「触るだけで色がわかる!点字付き靴下」 - nhk.or.jp
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