2022年に創部100年を迎える京都大ラグビー部が、近年悲願としてきた関西大学ラグビーのAリーグ昇格を目指し、ユニホームの一部更新を決めた。採用したのは「押し負けない靴下」。一体どんな靴下なのか。
作ったのは、サッカーなどで高機能靴下を手がけた実績がある、奈良県大和高田市のメーカー「西垣靴下」。同社と取引がある会社に勤めている京大ラグビー部OBの中井友也さん(28)が21年夏、「ラグビー用の靴下もできないでしょうか」と持ちかけたのがきっかけだった。はじめは何気ない相談だったが、その後、開発を後押しする「一戦」があった。
モール、スクラム、試合の神髄
21年12月19日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた東京大との定期戦。京大は終了間際まで2点をリードする展開だった。だが、ロスタイムにラインアウトからモールを押し込まれてトライを奪われ、17―22でまさかの逆転負けを喫した。観戦していた中井さんはトライを奪われた瞬間、「靴下のことが頭をかすめた」という。
モールで押される後輩たちの姿に、「ラグビーでは、力と力がぶつかり合うモールやスクラムがゲームの流れを左右する。いわば神髄。押し負けないようになれば」と、高機能の靴下の導入を強く促すことを決めた。
中井さんは大学時代、フォワードのロックを務めた。スクラムやモール、ラックなどで相手を押し込むプレーに絡むことが多いポジションだった。「力の源泉は下半身。体幹の筋肉が生み出すパワーと、地面との摩擦の強さが必要だ」と分析した。中井さんからの要望を受けた西垣靴下は1月中旬ごろ、ラグビー向けの「押し負けない靴下」を完成させた。
「結果出るはず」と太鼓判
できあがった靴下の最大の特徴は滑りにくさだ。踏ん張る力を最大限発揮できるよう、親指部分を他の指と分け、足袋のような足先にした。親指の付け根の母指球の部分にはゴム糸が編み込まれ、さらに足底全体に滑り止めを施した。また、足首の後部をテーピングで固定するような編み方で激しく動いても体がぶれないように工夫した。自身もラグビーファンである西垣靴下の西垣和俊社長(64)は「既製品では滑り止めすらないのが多いが、この靴下をはけば違う結果が出るはず」と太鼓判を押す。
試着した部員からは「しっかり力が入り、スクラムでの踏ん張りが利くようになった」と高評価だ。ラグビー部主務の村田万里子さん(21)は「(Aリーグ昇格を目指して戦う)秋のリーグ戦に向け、スクラムやモールなどプレーの質が上がると思う」と話している。
さまざまな工夫を凝らした「押し負けない靴下」だが、ルール上問題はないのだろうか。関西ラグビーフットボール協会によると、靴下に限らず、ラグビーの用具に関しては相手に危険を与えないことが国際的な規定。今回の靴下については「対戦校に危なくない素材であれば問題ないのではないか」と語る。
この靴下、29日に予定される成城大(東京)との定期戦で初投入される。効果はいかに。【浜名晋一】
関西大学ラグビーリーグ
上位8校からなるAリーグを頂点に、Dリーグまで四つのリーグで構成。Aリーグには1982年度から大学選手権3連覇を果たした同志社大や、2020年度に大学王者に輝いた天理大などが所属する。Bリーグは12校で構成し、上位2校がAリーグとの入れ替え戦に出場する。京都大は88年度以降、Bリーグに所属している。
May 25, 2022 at 05:00PM
https://mainichi.jp/articles/20220524/k00/00m/050/179000c
Aリーグ昇格へ高機能採用 京大ラグビー部の「押し負けぬ靴下」 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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