「共演NG」と噂されていた2組の共演に、視聴者のみならずテレビ業界も騒然となった。8月28日、『FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~』(フジテレビ系)が放送され、ダウンタウンの松本人志と爆笑問題が隣同士に座り、トークを交わした。彼らは2014年3月31日の『笑っていいとも!グランドフィナーレ』(フジテレビ系)でも同じ舞台に立っていたが、特に言葉は交わしていなかったため、今回の“事件”のインパクトは大きい。そもそもなぜ、彼らは“共演NG”と言われていたのか。 【写真】お笑い界で第一線であり続ける松本人志、共演に業界騒然
浅草キッド著『お笑い 男の星座』(文藝春秋/2001年1月刊行)によれば、爆笑問題の太田光が1994年に雑誌『ホットドッグ・プレス』の連載コラムで当時アディダスばかり着ていた松本のことを、『アディダスの広告塔か! あの無神経さは信じられない!』と綴った。これを知った松本が激怒。フジテレビに爆笑問題の2人を呼び出し、土下座をさせたという。芸能記者が話す。 「1994年当時、週刊誌でもこの騒動が話題になっていました。この頃、ダウンタウンは『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)などゴールデンタイムでレギュラー番組を複数抱える超売れっ子でした。爆笑問題は1990年に太田プロダクションを独立した影響もあって、お笑い勝ち抜き番組のチャンピオンになるなど一から出直していた時代です。両者の勢いには大きな差がありました」 爆笑問題はその後、『タモリのSuperボキャブラ天国』(フジテレビ系)などで台頭し、1990年代後半には複数のレギュラー番組を持つまでに成長。ダウンタウンは松本人志の著書『遺書』が200万部を突破するなどお笑い界にとどまらず、日本有数の著名人になった。テレビ局関係者が語る。
「2組が“共演NG”という噂は前々から流れていました。そうなると、あえてキャスティングしようとする人はなかなか現れない。『いいとも』のグランドフィナーレでも、当初は共演する予定はなかったと聞いています。ところが、松本の『とんねるずが来たらネットが荒れる』の一言に触発された石橋貴明がスタジオに乱入。その勢いで、爆笑問題も同じ舞台に立った。あれがなければ、今回の共演もなかったかもしれません」 2017年10月には、『おはよう、たけしですみません。』(テレビ東京系)で水道橋博士に松本との共演を提案された太田は「勘弁してください」と拒否。ビートたけしから「松本人志、嫌いなの?」と聞かれると、「大嫌いですよ」と答えていた。これを受けて、『ワイドナショー』(フジテレビ系)で松本が「盛り上がったんならいいですよ。盛り上がって話題になって、笑いが起こったなら僕は全然いいと思います」と理解を示していた。 「最初に聞いた時は都市伝説なのかと思っていたのですが、年数が経つにつれてあの噂は本当だったんだと思うようになりました。ただ、テレビでネタにするようになったくらいなので、時間が解決していったんでしょうね。芸能界には、テレビで話せないほど仲が悪い人たちもいるので」(同前) 爆笑問題は『FNSラフ&ミュージック』で漫才を披露した後、スタジオで松本とトーク。ナイナイの矢部浩之が「周りの大人がピリピリしているだけなんですか?」と真相を聞くと、太田は「知らないですよ」と言い、松本も「わからん」とボヤかした。しかし、松本が「ここの奥さん(太田光代氏)が俺のツイッターをフォローしている。意味もわからなくて。なんか、遠回しに威嚇されているのかな」と話すと、太田が「威嚇したのはそっちでしょ」と返した。 27年間の恩讐の彼方に、両者の関係がオフィシャルに笑いに変わった瞬間と言えるだろう。
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