2回にわたり、オンとオフの足元を決める靴下と、足元で個性を演出するコーディネートを探ってきた。3回目は服飾評論家、石津祥介さんに色柄や履き方の「NG」を聞いた。外資系金融機関に勤める安藤健治さん(51)の靴下の中から、「これはいただけない」というものをグルーピングしてもらう。また、最近増えている、素足のように見える隠れ靴下や靴からちょろ見えする短めのスニーカーソックスはどこまで許されるのか、石津さんが論評する。
――男のおしゃれは首から足元へ移っているということで、足元を飾る靴下の個性について考えてきました。一見派手に見えていた横じまや迷彩などの柄物がクラシックなシューズに合うこと、ビジネススタイルのアクセントになるのは発見でした。
石津「でもね、前にも言いましたが、ベースカラーはよく考えてくださいね」
男物に「かわいい」はナシ
――安藤さんのコレクションの中から、石津さんに「これはNG」という靴下をまとめていただきました。こちらです。
石津「単体で見ても、これはだめ。男の靴下ではないなあ」
安藤「実はアメリカの1ドルショップなんかで買ったものが多いです」
――ピンクやポップな色合いが目に飛び込んできます。
石津「『かわいい』という表現以外にはない、というものばかり。男物には『かわいい』はナシ。『カッコいい』じゃないと。ここまで遊んだらダメと誰がみても分かるはず。安藤さんだって、このグループの靴下を着用する頻度は低いと思うのだけど、どう?」
安藤「はい。全身グレー、全身黒、というときに使うくらいで、めったに履きません。出番はこのとき、みたいに決まっています」
――安藤さんはコーデのこだわりがあって、たとえば靴下とネクタイとチーフを合わせているんですよね。
安藤「いつも3点を合わせることを意識しています。たとえはこのナイキのグレーのハイテクスニーカーの靴下はグレー地のチェック。合わせるチーフもチェックです。ベルトも同系色。グリーンのタッセルモカシン(房飾り『タッセル』がついた柔らかい革靴)にはグリーンの横じまの靴下、グリーンのチーフ、ベルトもその色を取り入れています」
石津「僕なら合わせないなあ。グレーのスニーカーは靴下でチェックを主張しているんだから、チーフにもチェックを入れたら崩れてしまう。まあ、色の組み合わせは正しい。でも僕としてはトゥーマッチ。たとえば無地のえんじのチーフなら許すんだけど。チーフはない方がしっくりくる。安藤さんは盛りすぎ、じゃない?」
安藤「盛るのが僕のコーデのテーマなので(笑)」
September 01, 2021 at 01:00AM
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO7509804025082021000000
「短すぎる靴下NG、すね毛は論外」石津祥介氏が斬る|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞
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